どうも!minemoです。
以前、自分がかなり変なルートでデザイナーになった記事を書きました。

これを受けて知人から「minemoがデザイナーになれたんだったら、私もなれるかな?」という相談を受けました。
とごにょごにょ回答しました。知人は歯切れの悪い回答に、あまり納得が出来ていないようでした。
なので今回は、インハウスデザイナーとして働けている私が何故「デザイナーいいぞ!デザイナーになりなよ!」と安易に言わない(言えない)か考えてみました。
結論から言うと
「デザインを学ぶのは楽しいけど、
デザイナーとして働き続けるのは大変カモ」
という話です。参考になると嬉しいです。それではどうぞ!
・デザイナーになるか迷っている人
・デザイナーになると訪れる苦難を知りたい人
最初、作ったものがボロクソに言われ続けるのに耐えれるか?
多分、自分の作品を批評されることに慣れていない人にとって、これが一番キツいところではないでしょうか?
こういう批評は、美大予備校や美大を出ている人は通ってる道だと思います。
私はこういう作品批評を経てきてなかったので、慣れてくるまで毎日泣き暮らしていました。
だって
自分は「100%コレでいける!」っていうものを
上司からのダメ出しで
自分の想定していた10倍くらいボコボコにされるんですよ?
それが毎日毎日。
慣れるまで本当にしんどかったです。
でも、慣れてからは先輩の批評に対して
「なるほど、言われてみれば確かにそうだな」
「先輩の作り直した方が明らかにいいな」
「何故いいかの理由まで付け足してくれて、神じゃん」
ってマインドが180度変わりました。そこからは自分でもグングン伸びたように思います。
結果として、自分の作ったものを可愛がりすぎることなく、相手の要望に合わせてブラッシュアップしてくことが出来るようになりました。
最近は、自分のスキルが少しはあがったのか、会社の色に染まったのか、そこまで根本的なダメ出しはありません。
デザイナーとしての価値を、属する会社にアピール出来るか?
私は「デザイナー」として、上司からの信頼を得るまで長かったですが、「社内でのデザイナー」として、依頼主からの信頼を得るまでも長かったです。
もちろん、上司の庇護のもと、働いていた時間が長いのもありましたが、インハウスデザイナーに求められている
「外注では得られないクオリティ & 速さ」をお客さんにアピールして、
信頼を勝ち得るまでが非〜常に長かったです。
私の場合、上司から手放しにデザインやらせてもらえるようになるまで(未経験なこともあったのか)、1年半位かかりました。
ただ、私の場合、ラッキーだったのは
「依頼者や社内でのデザイナーの信用は、先輩デザイナーたちが積み上げてきてくれた」ことによります。
社の偉い人に「スピードが求められる職種において、デザイナーが社内にいると、やりとりも密に出来るし、スピーディーだし、クオリティーも高い」と思わせた結果、インハウスデザイナーとして働けるようになっています。
これがもし、「そもそもデザイナーって社に必要なワケ?」と、社内にデザイナーがいる価値を疑われ、最悪の場合「外注でいいか」となってしまい、私は解雇されてしまいます。
信頼を積み上げてきてくれた先輩デザイナーのおかげで、ペーペーだったのにもかかわらず、デザイナーとして仕事をさせてくれていたってことですね…。(懐が広いな…。)
なので、自分自身もインハウスデザイナーとして、「会社内にデザイナーがいる付加価値を、アピールする and し続けられる必要がある」と最近感じています。
依頼主も「このデザイナーに任せれば、お客さんにアピール出来るものを作ってくれる」という信頼感で成り立っています。
私も職種柄、すぐにバナーや広告を用意したりする必要があり「短時間・高クオリティ・お客さんの要望の期待以上のもの」を意識してつくるようにチャレンジしています。
余談:デザイナーとしての信用は、フリーランスでも得ていく必要がある
余談ですが、信頼を勝ち得ていく必要があるのは、フリーランスでも一緒です。
というか、フリーランスの方が、全然知らない人にアピールしていく必要があるので、大変なんじゃないか…?と思います。
前職が大手有名企業だったり、肩書があったり、作品をたくさん作ったり質が高かったりする必要があり…かなりこう…
と思っているところです。
デザイナーとして、いい職場に入れるかは、かなり運による
転職前にSNSでデザイナー界隈をチェックしていると「体を壊したので辞めました」「鬱になったので休職しています」「働き方を見直して結婚を機に退職しました」という投稿が、数多く見受けられたので、
と不安になっていました。
転職後、私は幸い、デザインチームもあり、福利厚生が手厚く、人間関係も(前職と比べると)とても良好な職場にインできたので、本当にラッキーすぎるラッキーだったと思っています。
10年後、同じソフトを使って働いているかは謎
これは別角度になります。
例えば、「2020年12月31日をもってアドビによるFlash Playerの配布と更新を終了する」との告知がありましたが、10年前はゴリゴリにフラッシュ全盛期で、私の先輩も仕事で使っていたと伺いました。
可能性は低いと思いますが
現在使用している、Photoshop・Illustratorなどが、10年後サポート終了になる可能性も、無きにしもあらず…ということですね。
デザインは一生学び続ける必要がある
個人的に、「デザインは一生学び続ける必要がある」、これが一番の課題だと思います。
もちろん、デザインの王道・セオリーと呼ばれるものはあります。
ただ、流行にのったり、あしらいをアップデートし続けないと「これダサくない?」「昔のデザインだね」と言われかねません。
これにかなり恐怖を覚えています。
あと、会社に長いこと所属していると、ディレクターになったりマネージャーになったり、自分で手を動かすことが減る、と聞いています。
勿論、その分お給料も増えるらしいのですが、作り手としては活躍できるかどうかは微妙かもしれません(尻拭いでコードやデザインが出来る必要があると聞いていますが…)
手を動かすことが減ると、自分のデザインのアンテナも錆びつきそうでこれも怖いです。
そして、10年前にはなかった「UI/UXデザイナー」など、新しいデザイナー職が登場しています。
Adobe Sketch や Figma など、UI/UXデザインツールの登場もあり、ちゃんとキャッチアップしていく必要があるなと思っています。
まとめ:デザインすることと、デザインで食べていくことは別に考えたほうが良さそう
私が「デザインやりなよ!」と言えない理由は、
もし、フリーランスのデザイナーとして働きたい場合
・仕事をどこから引っ張ってくるのか?アテはあるのか?(クラウドソーシングやるのか?)
・フリーでコンスタントに食べていくことが出来るか?(経理も自分でやるのか?)
・デザインを学び続ける、キャッチアップし続ける必要がある(共通)
もし、会社に入って働く場合
・会社がデザイナーを重宝しているか(ない場合、自分で使われにいく必要がある)
・会社として福利厚生がしっかりしているか(ない場合、自分で勝ち得ていく必要がある)
・デザインを学び続ける、キャッチアップし続ける必要がある(共通)
などなど、デザイナー・社会人として生きていくために働くには、こういう複合的な要素があるので、本当に「会社による」「人による」「タイミングによる」としか言えないのが大きいかもしれません。
勿論、「(前職が年収200万以下だったので)金銭面で転職してよかった」&「(ボロクソに言われてた過程を経て)デザインがメチャクチャ楽しいなと心から言える」ので
心底デザイナーとして働けてよかったなと思っています。
ただ、私が特殊なルートで特殊なところにいるところは否めません。
そして将来、自分が子供を育てる段階になった時に、果たしてデザイナーとしてやっていけてるのか、戦々恐々としています。
デザイナーとして、社会人として、どう働いていくか、一つの生き方として参考になれば嬉しいです。
以上です!
それでは皆さんも素敵なデザインライフを〜!